1月の法話集 ~七福神の笑顔~


皆さんの中には、年の始めに七福神めぐりをされる方がいますね。恵比寿、大黒、布袋尊、弁財天、福禄寿、寿老人、毘沙門天の七人の福の神が海の彼方から宝船に乗り合わせて到来し、人々に幸福をもたらすとの、まさに開運招福を願う信仰です。恵比寿さまは、釣竿に大きな鯛をかかえておられますとおり、本来は大漁の神さま、時とともに商売繁盛の神さまとなられたのです。大黒さまのお生まれはインド。仏教の守護神でしたが、日本では神話に登場する大国主命(おおくにぬしのみこと)と同じように考えられ、親しまれてきました。頭巾に小槌、大きな袋を背負い、米俵に乗るお姿。このお方も福徳円満商売繁盛の神さまです。七福神の中で実在したただ一人のお方が、布袋尊です。中国は唐の時代の禅僧で、その名は契此(けいし)。額が広くて大きなお腹、見るからに安心を与えるお姿です。お金や物を得る満足だけでは真の幸福ではない。心の豊かさを待ちなさいと布袋尊は教えています。ただ一人の女性は弁財天です。もともとはインドの水の神さまでしたが、日本に伝来すると芸能の神さまになりました。弁財の財は、もと才能の才でしたが、いつしか財産の財になり福の神の仲間入りをされたのです。背が低く長い頭の老人は福禄寿。出身は中国です。福運、俸禄、長寿の三徳をもたらす神として名高いお方です。長寿の神さまは寿老人。巻物を結んだ杖を待ち鹿を連れてのお姿で、人々の安全と健康を守ってくださるという神さま。最後は毘沙門天。別名多聞天とも言われるお方。上杉謙信が信仰厚かったというくらい古来から武人に慕われたお方。近ごろでは、子育ての神としても人気をよんでいます。宝船に所せましと乗り合わせた七人の福の神さまたち。すばらしい笑顔です。この笑顔をいただいて、今年も明るい人生でまいりましょう。



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