1月の法話集 ~松寿千年翠~
新年の町を歩いてみますと、どこのご家庭にも青々とした松がお飾りしてあります。この松飾りというものは、中国から伝来した習慣だそうです。"松寿千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)"という言葉がございますね。いかにもおめでたい言葉です。ご承知のように松は千年もの間風雪に耐え、つねに青々としてみどりを輝かせています。この松のように、私たち人間もいつもいきいきとして長寿でありたいとの願いが、この言葉のなかにこめられています。松ほどたくましい樹木はありません。風を防いでくれます。堤防に根を張って、水害を防ぐ一端をになっています。かと思えば、日木庭園のなかに堂々とした枝ぶりを見せ、風雅な情景をかもし出しています。
「法句経(ほっくきょう)」というお経のなかに、盤石(いわいし)という句があります。
一かかえほどの盤石
風にゆらぐことなし
かくのごとく
心あるものは
そしりと
ほまれの中に
心うごくことなし
このひとかかえほどの盤石を台座にして、しっかりと根を張っている松の大木があります。まるでダルマさまのようにどっしりと座っている松の巨木。風雪にもたじろぎません。松の心で今年を進みたいものです。
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