2月の法話集 ~事故にあったら~


私たちの日常は、いつもバラ色とはかぎりません。とかく計算どおり行かないのが人生であり、汗も努力も、思いがけない出来事で無になってしまうどころか、ひどい苦しみの結果をみることさえあります。たとえば、ちょっとした自動車事故にあったりします。まったくの、突然の出来事。そうなると、とかく私たちは、目の前の状況にのみ目を奪われて、あいつが悪いからと他人をうらんだり、どうしてこんな目に合わなければならないのかと、運の無さを嘆いたり。ヤケをおこしたり。結果的に自分で自分を苦しみに追い込みます。突然の出来事に、自分を失い、ますます苦しみの中へ……。なぜ、こんな結果になるのでしょう。何がこうさせるのでしょうか。
仏教では善因善果、悪因悪果と申しまして、良い種まきをしておけば良い結果が、悪い種をまけば必ず悪い結果が生まれると考えます。結果には必ず原因がある。つまり種と花、種と実の関係です。
さて、誰でも良い種をまいて良い結果を得たいですね。そこで良い種まきとは……。一つのあり方として、仏教では布施という修行をしなさいと教えています。布施とは奉仕。「喜んで与えよう物でも心でも」の奉仕の心がけです。ほんの小さなことでいいんです。自分がされていやなことはしない。言われていやなことは言わない。やさしい言葉。小さな親切。みんな良い種まきです。こんな布施の日常生活から事故はおきません。無事これ最大の幸せ。私は一日の終わりに今日一日の無事を仏さまに感謝します。あなたの毎日が無事でありますように。



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