2月の法話集 ~お経に書かれていること~
ご法事のあとでよくいただくのが、
「いったいお経には何が書かれているのですか。全くわかりません!」
とのご質問です。おっしゃる通りですねえ。読まれるお経は宗旨や宗派によって違いますが、いずれも耳から聞いていたのでは、全くといっていいほど理解できませんね。申すまでもなくお経は、仏教を開かれたお釈迦さまがお説きになられた教えであり、お釈迦さまが亡くなったあと、多くのお弟子たちが集まって、「私はこのようにお聞きしましたよ」「私はあるとき、ある場所で、このようなみ教えをお説きくださったのを聞きました」 と覚えているみ教えを語り合い、確かめ合ってまとめたものなのです。それは八万四千(はちまんしせん)の法門といわれるほど数多くのみ教えでした。むろんお弟子たちがまとめたお経は、インドの言葉によって書かれています。そのお経が中国のお坊さま方の大変なご苦労により、中国へ持ち帰られ、中国語に訳されました。みなさんご存じの三蔵法師こと玄奘三蔵もそのお一人ですね。さて、インドの言葉から中国語へ訳されたお経が日本へ伝来するのですが、残念ながら、多くのお経は日本語に訳されていないのです。つまり日本のお坊さまが読まれるお経は中国語、漢語そのままで読むことが多いため、みなさんのお耳に届くお経の意味は”わからない”ということになってしまうのですね。さてお経のなかにどんなことが書かれているのかと申しますと、例外はありますがおおかた次のようになりましょう。
”お釈迦さまがご存命中のころ、北インドのある場所で、次に述べるようなお弟子たちを前にして、次にあげるような教えを説かれたので、それを聞いたすべての者は、心から喜んでその教えを信じ受け取りました”
お経をむずかしいと思わずに、どうぞ学んでみてください。
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