3月の法話集 ~人間には二通りある~


日本人の平均寿命がずいぶんのびました。男女とも八十歳くらいは生きられるというのです。ですから、六十歳で定年退職なんて早すぎるという声もあります。そうですね、六十歳で定年となると、八十歳まで二十年間もあります。その二十年間をどう過ごすか・・・・・。
今まで、お坊さんはなぜ長生きなんだろうという声が聞かれましたが、その理由は、仕事の上で定年がないからという結論が出たようです。そういえば、八十歳、九十歳になっても仕事を持っている方は長命ですね。芸術家でも、政治家でも、高年齢の方が活躍されています。
さて、定年を迎えて、これからどうするという時に、二通りに分かれるそうです。一つは、仕事にありつけないと、あきらめへこたれてしまう人。これでは老人ボケへの第一歩です。もう一つは、必ず自分に何かやれる仕事があると信じて、人に会い、足で歩いて仕事をみつける人、若返りの第一歩です。この二通りです。これは何も、お年寄りだけでなく、若い人にも共通したことですね。仕事がないとあきらめる人、今なくても、必ず自分に何かやれる仕事があると信じている人。新しい仕事に取り組んで見てください。自分では思いもつかなかった力を持っていることに気がつきます。定年なんて、世間の相場であって、自分の人生は自らの手で開くより他ありません。



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