3月の法話集 ~なぜ仏さまは三人組~


中学一年生のM君の質問です。
「あちこちのお寺にお参りしたことがありますが、なぜ仏さまは三人組なんですか?」
なるほど、M君、いいところに気がついてくれました。たしかに、お参りをしてご本尊さまを礼拝すると、三人組の仏さまがいらっしゃいますね。真ん中の仏さまが大きく、左右に少し小さい仏さまかせおいでになって、三人組・・・。真ん中の仏さまを如来さまと申し上げ、左右の仏さまを菩薩さまと申し上げるのです。
如来さまはすでにお悟りをお開きになっておいでの仏さま、菩薩さまはまだお悟りを開かれておらず、お悟りを開くために一心にご修行をなさっておられる仏 さまなのです。でも、それと同時にご自分がお悟りを開かれるより先に、苦しみ悩む多くの人たちを仏さまの道へ導いて、救ってあげたいとの慈愛に満ちたお心 でご活躍なさっている仏さまでもあるのです。いわば如来さまは先生、そのすぐそばにおいでの菩薩さまはお弟子なんですね。如来さまの脇においでになるから 脇侍菩薩(わきじぼさつ)とも申し上げます。
釈迦如来さまには、文殊菩薩さまと普賢菩薩さまが、阿弥陀如来さまの脇には、観音菩薩さまと勢至菩薩さまが、薬師如来さまには、日光菩薩さまと月光菩薩 (がっこうぼさつ)さまが、それぞれ寄り添っておいでになり、まさに三人組でお参りする人々をやさしく見つめてくださっています。
ちなみに、菩薩さまは、一つの誓いと一つの願いをお持ちになっておいでになります。一つの誓いは上救菩提(じょうぐぼだい)、つまり上に向かっては先生 である如来さまのように、いつの日かお悟りを開きますとのお誓い。一つの願いとは下々衆生(げげしゅじょう)、つまりこの世で苦しみ悩む人々を一人残らず 救ってあげようとの願いです。



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