4月の法話集 ~アシダ仙人の予言~


お釈迦さまがお生まれになったのは今から二千五百年前、四月八日のことです。お生まれになった時のようすを伝える話はたくさんありますが、アシダ仙人の話もその一つ。実は、お釈迦さまのご両親はいつまでもお子さんが生まれませんでした。てすから、お釈迦さまがお生まれになった時の喜びようといったら、言葉では言いつくせぬほどであったにちがいありません。
小さいころのお名前はシッダルタ。シッダルタという名は、すべての目的を達成するという意味を持っていました。人間の行く末を予言する有名な仙人アシダ仙人をすぐさまお呼びになり、王は問われました。
「どうじゃ、私の後を継いで学問にもすぐれ武道にもたけた立派な王になるであろうな。」
するとアシダ仙人は、うなずきながらこう申しました。
「おっしゃる通りです。たしかに立派に王者におなりになることもございましょう。しかし・・・・。」
アシダ仙人の言葉にお母さまのマヤ夫人が申されました。「アシダ仙人、王者の他になにか・・・。」
「王さま、そして、おきさきさま、シッダルタ王子さまは、世界の人々をおすくいあそばす聖者におなりでしょう。この世に生命をいただいた人々が本当に幸せ になることのできる道をお示しになり、遠く未来までも、多くの人々から心のよりどころとして、あがめられるお方におなりでしょう。」
その予言はピタリと当たっておりました。シッダルタ王子の誕生は、お釈迦さまのお生まれであったのです。



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