4月の法話集 ~お釈迦さまも私たちと同じ人間でした~


四月八日はお釈迦さまの誕生日で、世界の仏教徒はこの日をお祝いするのです。日本でも古来から花御堂といって、小さなお堂を色とりどりの花で飾り、そのなかにかわいらしい誕生仏、つまりお生まれになったばかりのお釈迦さまが、右手で天を左手で地を指して立っておられる姿のお像を安置して、花まつりをいたします。
お参りした人々が誕生仏に甘茶を注いでお祝いするのですが、これはお釈迦さまがお生まれになったとき、甘い香りのよい雨が天から降ってきて、お体を消め たという言い伝えによるものです。花まつりのことを潅仏会というのもそのためです。そういえば甘茶は健康によく漢方薬に利用されているくらいですから、お 生まれになったばかりのお釈迦さまを甘茶で清め、すこやかであれと多くの人々が祈ったに違いありません。
先日、小学生のA君から質問を受けました。
「お釈迦さまってほんとうに人間だったの。」
なかなかよい質問です。お寺などでお参りするお釈迦さまは、木像であったり金仏であったりですから、A君の問いもうなずけます。お釈迦さまも、私たちと同じ人間だったのですね。お父さんがあり、お母さんがおられて、人間の男の子としてお生まれになったのです。カピラ城の王子とし て育ち、人なみに多くの悩みを持ち、青年時代から苦しい修行をつづけて、人として生きるための真実の道を発見され、それをお亡くなりになるまで多くの人々 に伝えられました。この教えを仏教といい、いまなお私たちを導く灯となっているのです。
私たちがこの世に生を受けたゆえに持つ,どう生きるか〃という疑問に対して、正しい道を示してくださったお釈迦さまです。そのお誕生日をお祝いする花まつりに、人間であるお釈迦さま、仏さまも人間であったことを考えてみてください。



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