4月の法話集　～月光仮面は誰でしょう～

少年少女向けテレビ映画で、『月光仮面』という番組をご存じですか。昭和三十三年二月から三十四年七月まで放映されましたから、中年以上の人なら”なつかしいなあ”と思われましょう。　　

どこの誰かは知らないけれど　誰もが皆知っている
月光仮面のおじさんは　正義の味方よ良い人よ
疾風のように現れて　疾風のように去って行く
月光仮面は誰でしょう　月光仮面は誰でしょう

この映画が近ごろまたアニメーションにつくり替えられ、子どもたちの人気を呼びました。
実は月光仮面とは仏さまなのです。災難から救い、福徳を与え、病気を治し、生きるうえでの苦しみから救ってくださる仏さまに薬師如来という方がおいでで すが、その薬師如来さまの両脇に日光菩薩、月光菩薩がおられます。この月光菩薩の名をいただいて、。月光仮面″と名づけたのでした。
このテレビ映画をつくった人たちが、これまたお寺で生まれ育った人たちばかりでした。子どもたちに、仏さまの心をテレビ映画を通して伝えたいとの願いを 持った人たちでした。やがて、。憎むな、殺すな、赦しましょう〃の仏教精神をつねに生かした番組づくりをしようと構想がまとまったのです。放映されるや、全国の子どもだちから、月光仮面のおじさん大好きの声がどっと押し寄せてきました。
月光仮面はふと気づくとすぐそばにいてくれる、呼ぶとすぐ来てくれるすばらしいおじさんです。思えば仏さまも同じなんですね。月光仮面を呼ぶ気持ちで、仏さまを呼んでみてください。

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