4月の法話集 ~七歩あるいて~
今年も四月八日、お釈迦さまのお誕生日をお祝いする″花まつり″がやってきました。松尾芭蕉は次のようによみました。
潅仏(かんぶつ)やしわ手合する珠数の音
芭蕉生存のころも、花まつりは盛んだったのでしょう。花まつりは潅仏会(かんぶつえ)とも言われます。
もう一人小林一茶の句です。
長い日をかわく間もなし誕生仏
次から次へとお参りがあって、誕生仏に甘茶をかけて行くから、誕生仏が一日中かわかない、それほど人々のお参りが多かったのでしょう。
小学生の質問です。
「本当にお釈迦さまは生まれてすぐに七歩、歩いたのですか。」
誰でも疑問を持ちますね。お釈迦さまは生まれてすぐに七歩、歩かれたと言い伝えられています。
生まれたての赤ん坊が七歩あるく?うそでしょう・・・・・というわけです。
これは一つのたとえと受けとめてください。七とは六より一つ多い数です。仏教で六と言えば六道です。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六道を一歩踏み出した数が七です。この六道をぐるぐる回るのではなく、み仏の教えにそって、そこから一歩ぬけ出た世界を踏みしめなさいとのお示しなのです。
一、二、三、四、五、六で止まらず七歩あるかれたお釈迦さま。
私たちに、もう一歩踏み出して、み仏の教えに生きる自分を見つけなさいとの教えが秘められた、たとえなのです。
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