6月の法話集 ~泥になかに蓮の花咲く~


あなたは蓮(はす)の花の咲いている風景をごらんになったことがありますか。
蓮の花は、夏の朝早く花を開きます。真っ白な花、薄紅色の花、それはそれは見事です。蓮の花はなぜあれほど美しいのでしょう。そしてなぜ尊ばれ、仏さまと深く結びついているのでしょうか。それは汚い泥のなかで成長し、それでいてその泥に染まることなく、清浄な花を咲かせるからにほかなりません。お釈迦さまは、蓮の花を教材にして次のように教えられています。

都大路(みやこおおじ)にすてられし

塵芥(ちりあくた)の堆(つみ)の中にも

げに香りたく

こころたのしき

白蓮(びゃくれん)は生ぜん  (『法句経』)

”大都会に住む人々が捨てた、山のような汚いゴミのなかから、何とも香りのよい、心を清らかに安らかにさせる白い蓮の花が咲く。何とすばらしいことか”
きれいな水のなかからきれいな花が咲くのであれば、それは当たり前のことであるけれど、汚れに満ち悪臭に満ちたゴミのなかにあって、むしろそれらを養分として育ち、気高い花を咲かせる蓮の花の尊さを、お釈迦さまはたたえておられるのです。そして、私たち人間も悪に染まらず、悪い誘惑に負けず、どれほど不遇で恵まれぬ環境にあっても、強く清らかに堂々と生き抜かねばならないと教えておいでなのです。
朝もやのなか、次々に花開く蓮池の風景は極楽浄土を見ているかのようです。夏の朝、機会を見つけてぜひお出かけください。



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