7月の法話集 ~インド式アリの追い出し方法~


夏になると家の中まで行列をつくってあがり込んでくるのがアリですね。近年は殺虫剤が数多く出てシューッとひと吹き、アリもひとたまりもありません。
お釈迦さまは、生きとし生けるものに生命あることを説かれ、説法の旅においても、虫を踏み殺すようなことを厳しくいましめられました。インドでは、いまでもむやみやたらに虫や動物を殺すことはありません。
さて、こんなことが行われていることをあなたは信じられますか。実にユニークな”インド式アリの追い出し方法”をご紹介しましょう。家の中にアリがゾロゾロあがってきたとします。たとえ、ほうきで掃いても、アリは根気よくやってきます。戸を締めても何ら効果はありません。さて、そこ でインドの人々は、実に簡単な方法で短時間にアリを外へ向かわせる術を知っているのです。その術とは・・・。
アリの行列の一部に砂糖をほんの少々落としてやるのです。するとアリたちは、いっせいに砂糖のまわりに集まり、ひと粒ずつ口にくわえて外へ出て行ってし まいます。不思議なことに、砂糖がなくなるとアリたちは満足したのか、行列を外へ向かって行進させ、いつの間にか消えてしまうのです。虫一匹。アリ一匹の生命を大切にするインドの人々のやさしい心に打たれますね。不殺生をいましめとする仏教が生まれた国にふさわしい行為と申さねばなりません。
最も多くの虫に出会う今日このごろです。こんな話を話題にして、ご一家で”殺生をしない”ということについて話し合ってみてはいかがでしょうか。



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