7月の法話集 ~名前にこめられた願い~


あなたの名前は誰につけていただきましたか。お父さんですか、お母さんですか。おじいさんとか、おじさんとか、お寺のご住職とか、両親の仲人さんなんていう方もおいででしょう。
今まで自分の名前についてあまり考えもしなかった青年が、結婚をして初めての赤ん坊が生まれるというので、一所懸命、名前を考えています。彼の言うには「これといって残してやれるものはないから、名前だけは、しっかりしたものをと思いましてね」とのこと。もう二十以上も候補の名前が並んでいます。
この世に生を享けて数日後、だれもが立派な名前をいただいています。なにはともあれ、健康第一にと「健一」、幸福であれと「幸子」戦争のころは「英雄」とか「勝夫」なんていうのが多かったんですね。いずれにしても名前には名づけ親の願いがこめられています。
あなたの名前を今一度見直してください。名づけていただいた方の、あなたの願いがこめられているはずです。どんな願いでしょうか。
「名は体をあらわす」という言葉があります。名前そのままがあなたを語っているという意味ですが、名前にこめられた願いが、あなたの人格となって、あなた自身を表わしているわけですね。毎日、たくさんの人から声をかけられ、あなたの名前が声となって聞こえてきます。その一言は単に無意味な符号ではないはずです。
「名前にこめられた願い」
あなたは、名前にふさわしい自分であると胸を張って言えますか。



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