8月の法話集 ~わが行く道よ~


わが行く道よ正しくあれ
石ころゴロゴロたりとも
わが行く道よ大きくあれ  

これは、草野心平さんの詩です。
この世に生を享けた私たちは、たったー度きりの人生を、この世から"さようなら"をするまで、生き抜かねばなりません。それは、どこまでも続く道です。草野さんは"わが行く道よ"と題して、自分の生きるべく道はこんな道でありたいとの願いと決意を詩にうたっています。
さて、あなたが同じ題名で詩を作ったら、どんな詩になりますか。自分で自分の道を作って行く、切りひらいていく。どんな道こそ、自分の望む道なんだろう。この世に生まれてきた自分の道は……。こうして考えてみますと、もう数十年も人生を生きているのに、草野さんほどの願いと決意を待って、わが道を歩んでいない自分が恥ずかしくなります。
自分の道ではなく、なんとなく他人の道を歩いているように思えます。今日歩いている道と昨日の道は違うようにも思えます。人に誘われて、人に流されて歩いているようにも思えます。
静かな秋の夜。草野さんのように、しっかと自分をみつめて、"わが行く道よ"を、私にあてはめたら、どんな道になるか考えてみたいと思います。あなたの行く道はどんな道ですか。



8月の法話集一覧表へ戻る