8月の法話集 ~精霊棚を飾る~


今年もお盆をお迎えしました。土地土地の習慣や風習はさまざまですが、どこでもご先祖さまのみ魂がお帰りになることを待って準備を整え、お盆十三日の夕方、迎え火をたいていよいよご先祖をお迎えします。すでにお仏壇はきれいに掃除され、お供え物もあげてあります。そしていま一つ、精霊棚がお飾りされています。
精霊と書いて仏教ではショウリョウと読みます。精霊棚には、お仏壇とは別に特別におロウソク、お花、お線香、お水、そしてお供え物がたくさんあげられて、いかにもご先祖をお迎えし、おもてなしするにふさわしい準備です。 ほんの一瞬のことでした。すぐさまお姑さんの手から力が抜け、それっきりでした。
ナスで牛、キュウリで馬がつくられていますが、ご先祖さまはこのキュウリの馬に乗って、ナスの牛にひかれて来られるとのこと。
こんな俳句があります。

魂棚(たまだな)の奥なつかしや親の顔
すね茄(なすび)馬役あひつとめたり

ご先祖さまもお帰りになるでしょう。またお盆休みを利用して、日ごろ遠かった家族や親類縁者の顔も見られるでしょう。亡き人と生ある人との再会をもたらすお盆の行事を大切にしたいと願わずにはおられません。



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