8月の法話集 ~夏休み健康法(その一)~
子供たちが夏休みに入ったせいか、あちこちで、元気に遊ぶ声が聞こえます。「ああ、もう、うるさくてうるさくて」なんて、ぐちをこぼすお母さんもチラホラ。
さて、先日Aさんの家でこんなことがありました。
夏休みの中の日曜日、久々に家族全員の夕食が終わりました。すると、小学校三年生、六年生、中学校二年生の三兄弟の提案で、食事のあとかたづけをするというのです。お母さんへの夏休み大サービスだと。すっかりきれいになった台所をみて、お母さんは、三人に笑顔でお礼を言いました。みんなが、それぞれ寝室に入ったころ、台所で音がします。おどろいたのは三人兄弟です。
「お母さん、まだ洗い物残ってたの。」
三人を前にお母さんはこう言いました。
「みんなの気持ち、とてもうれしかった。でも食事をつくるのも、あとかたづけも、お母さんの仕事よ。それを取られたら、お母さん、失業してしまう。
お父さんはお父さんの仕事、あなたたちは学校に行くことや勉強が仕事。みんながそれぞれの仕事を一生懸命やってくれれば、わが家はとても楽しく生活できるわ。この夏休み、それぞれの仕事をしっかりやろうよ。お母さんは、みんなが元気で仕事をできるように、おいしい食事をつくるからさ!」
みんなが、それぞれの持ち分をしっかりやりとげる。特別なことではないけれど、自分の持ち場をしっかり守る。日々の生活がつい流れてしまいがちな家庭生活を、夏休みという機会に、家族みんなで考えなおしてみてはいかがでしょう。これも夏休み健康法のひとつではないでしょうか。
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