9月の法話集 ~朝はおはようの挨拶から~


あなたは今朝起きて、ご家族と「おはよう」と挨拶しましたか。いやそれを毎朝やっていますか。
自分のことで恐縮ですが、私の家では毎朝必ず、家族同士の挨拶は大切に実行しています。
漢和辞典で調べてみますと、挨拶の挨という字は"開く"という意味で、"拶"は"交わる"というような意味があります。つまり挨拶することによって、まず自分の心を開き、同時に相手の聞かれた心との交わりによって、お互いの心を通わせ合い、理解し合うのですね。どんな話し合いも、心が閉ざされていたのでは、決してうまくゆきません。
人間関係はすべて、挨拶に始まり挨拶に終わります。たとえば、よそのお宅を訪問した時、まず挨拶、そして要件に移ります。それが終わって帰る時も、挨拶をして帰りますね。いうならば挨拶は心の交わりのためのかけ橋であり、潤滑油だと言ってよいでしょう。
世の中や家庭内がガサツになり、ギスギスしている最大の原因は、挨拶がおろそかにされているからだと思います。心のふれあいを大切に考えるならば、まず家族同士「おはよう」の挨拶からスタートしたいものです。
家庭内での挨拶は「おはよう」に始まって、食事の時の「いただきます」「ごちそうさま」、出かける時の「行ってきます」「行ってらっしやい」、帰った時の「ただ今」「お帰りなさい」、そして夜やすむ前の「おやすみ」、この八つしかありません。この八つがすべてできなくとも、せめて五つや六つはぜひ毎日実行したいものです。
非行少年や犯罪者の出た家庭を調べてみて、おしなべて言えることは、日常生活の中で挨拶がまったく実行されていないという事実です。つまり心のふれあいのない、暗い家庭だというわけです。そこで家庭でも職場でも、気軽にまず「おはよう」の挨拶を交わしあう、ごく簡単な基本的マナーを、習慣づけようではありませんか。これは教育とか、躾とかいう以前の問題でもあります



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