10月の法話集 ~大日本ドケチ教~


大日本ドケチ教という宗教があるというので話を聞いてみました。大日本ドケチ教というくらいですから、信者さんはみなケチケチとした生活に徹しておいでだろうと思っていましたら、
「ケチとシブチンは違うのですよ!」
と次のような話がありました。
「韓国の話らしいのですが、キンさんとパクさんはお隣同士。あるときキンさんが息子に”パクさんから金槌を借りてこい”といいつけました。息子がパクさん に伝えると”金槌で打つ釘は金(かね)の釘か、それとも竹の釘か”とパクさんが問うので”金の釘だ”と答えますと、パクさんは”金の釘をオレの槌で打つ と、金槌が減るから”といってことわってきたのです。さて家に帰って息子がこのことをキンさんに伝えると、キンさんは真っ赤になって怒りこういったので す。”隣のパクという奴は、何とケチな奴だ。そんなに金槌を貸すのがいやならオレの金槌を使うわい!・・・”
この話はケチではなくシブチンの話なんです。」
なるほどケチとシブチンは違うのですね。さて、大日本ドケチ教にも”教え”がありました。それは「お金、もの、そして価値あるものを大切にする心を養う。とくにお金では買えないものを大切にすること」というのです。いやいや立派な教えですね。いまの日本人に最も大切なのは、この教えではないでしょうか。
大日本ドケチ教というくらいですからお経もあるのでしょうと問いますと、これまた実にわかりやすい、だれでもがすぐ読めるお経がありました。それは、
「もったいない、もったいない、もったいない」
というのです。何でもかんでもすぐに捨ててしまう現代の日本人、みんなで唱えたらいかがでしょう、このお経を。



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