10月の法話集 ~お仏飯はパンでもよいか~


毎朝、お仏壇にお仏飯(おぶつぱん)をお供えになっているご家庭が多いと存じます。お仏飯は、朝一番に仏さまにお供えするご飯のことをいいます。
さて、先日こんなご質問をいただきました。
「わが家では毎日朝食はパンなのです。それでおばあちゃんが仏さまにあげるお仏飯がないという理由で、パン食からご飯へ替えるようにというのです。ところ が子どもたちは大反対で、パンをお供えすればよいではないかと申します。私もパン食派なので困りました。パンをお仏飯の代わりにお供えしてもよいでしようか。」
いやはや、うれしいご質問ですね。ご飯であれパンであれ、このご家族は仏さまにお供えするについては意見がまとまっています。
さて私は、パンをお供えしていただければけっこうですと申し上げました。おばあちゃんは少々ご不満かもしれませんが、まごころのこもったお供え物を、仏さまやご先祖さまがお嫌いなはずはありません。ご家庭がパン食ならば、お仏飯の代わりにパンをお供えなさっておおいにけっこうです。お子さんたちとともにお供え下さい。お水も新鮮なお初を差し上げてください。お花もいきいきとしたものをお願いします。
お仏壇は家庭の中の最も大切なところ。ご家族そろっておまつりすることにより、小さなお子さんにも、神仏に手を合わせるという清らかで聖なる心、ゆかしい心が育つこと間違いありません。目に見えないけれどそっと手を合わせる、静かに祈る、そんな人間性が必ず育ちます。
どうぞまごころをこめて、お仏壇のおまつりをなさってください。



10月の法話集一覧表へ戻る