10月の法話集 ~寝ていて人を起こすな~


「寝ていて人を起こすな」
これは第二の二宮尊徳(にのみやそんとく)といわれた明治時代の農業指導者、石川理紀之助(いしかわりきのすけ)の残した名言です。
自分は寝ていて、「あれしなさい」「これしなさい」では、人はついてきません。自ら進んで行ってこそ、周囲が動き出すのであるということでしょう。同じような名言に、
「目で見せて、耳で聞かせて、して見せて、ほめてやらねば、人はできぬよ」
というのがあります。
人を動かすのも、人を育てるのも、単に口先であれこれ言うだけでは実現しない。どちらかというと、人の上に立つ人に向けて教えている言葉のように思えますが、何も人の上に立つというようなことでなく、お母さん、お父さんにだって当てはまる教えではないでしょうか。
ゴロリと横になって、テレビを見ながら、
「あれ持ってこい。」
「これ持って行け。」
と子どもさんに命令ばかりしているお父さん。
「寝ていて人を起こすな」の言葉を思い出してください。
「あれしなさい」
「これしなさい」
一日中、小言を言っているお母さん。
「目で見せて、耳で聞かせて、して見せて、ほめてやらねば、人はできぬよ」の名言を忘れないでください。



10月の法話集一覧表へ戻る