11月の法話集 ~よき友を得る~
『法旬経』というお経のなかで、お釈迦さまは次のように教えられています。
あしき友と 交わるなかれ
いやしき人をも 侶とせざれ
こころ清きを友と 交わるべし
まされるを侶とせよ
このみ教えは、私たちがよき友を得るための心得を明確に示されています。
お釈迦さまがお弟子とともに旅をされていたときのこと。道に一本の縄切れが落ちていました。それを指さしてお釈迦さまが申されます。
「その縄を拾ってごらん。どんな臭いがするかね。」
縄を拾ったお弟子がそれを鼻に近づけると、「お釈迦さま、とてもいやな臭いです。」
しばらくすると紙切れが落ちていました。お釈迦さまは同じようにお弟子に拾わせて臭いをかぐように申されます。
「お釈迦さま、よい香りがします。」
やがてお釈迦さまは、お弟子たちに申されました。
「縄ははじめからいやな臭いがしていたわけではない。紙もはじめからよい香りがしていたのではない。縄は人のいやがるものをしばったためにいやな臭いになり、紙は香りのよいものを包んだからよい香りとなった。お前たちも、よき友を得るように・・・。」
どうぞあなたも、よき友を得られますように。
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