12月の法話集 ~鐘の音を聞く~


いよいよ、今年も終わりですね。
あなたは、この十二月三十一日をもって人生幾日を生きたことになりますか。
平均寿命が延びた昨今では、八十二歳までは生きられるとされています。八十二年間を生きたとすると……。一年を三百六十五日として、八十二年間は二万九千九百三十日、それに、閏年などあって、かれこれ三万日ということになりましょう。
さて、あなたが三万日を生きるための食事は一日三食として九万食。その量となるとおよそ食料百トン、水は五十メートルプール四杯半といわれます。これだけ食べて飲んでの八十二年。と言っても人生の三分の一は眠っているわけで、二十七年くらいはただ眠るばかり。そして笑い話のようですが、あなたがトイレに入っている時間は、八十二年の間でおよそ三年ですから眠っている時間と合わせると三十年。
八十二年から三十年を引いた五十二年間こそ、あなたがなにかをしている時間です。
そうしてみますと、たとえ八十二歳まで生きられるとしても、それほどの時間を与えられているわけではありません。思えば成人するまでの二十年は無我夢中。その後三十二年。あなたは、どんな使い方をして釆ましたか。この与えられた、限りある時間を。
このところ忘年会のお酒で、ずいぶん無駄な時間を使ってしまったとお嘆きのあなた。除夜の鐘を聞きながら、来る年の人生時間の使い方をじっくり考えてみてはいかがでしょう。
それでは、よいお年を・・・・・。



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