12月の法話集 ~おかげ おかげでと暮したい~



こんな詩を見つけました。どうぞ味わってください。題はありません。

夏がくると冬がいいという/冬になると 夏がいいという
ふとると やせたいという/やせると ふとりたいという
忙しいと 閑になりたいという/閑になると 忙しいほうがいいという
自分に都合のいい人は 善い人だとほめ/自分に都合が悪くなると 悪い人だとけなす

借りた傘も 雨があがれば邪魔になる/世帯をもてば 親さえも邪魔になる
義理も人情も愛情も/肉親の情もあらばこその世の中となる
誰もかれも どこもかしこも/カサカサに乾ききった あじけないこの頃
昔の人情がなつかしい/衣食住は 昔に比べりや天国だが
上ばかりみて 不平不満の明けくれ/隣りをながめて 愚痴ばかり
どうして自分を みつめないのか/静かに 考えてみるがよい
一体 自分とは何なのか/親のおかげ 先生のおかげ
世間さまのおかげの塊が自分ではないのか/つまらぬ自我妄執(じがもうしゅう)をすてて
得手勝手をつつしんだら/世の中はきっと明るくなるだろう
おれが おれがを捨てて/おかげ おかげでと暮したい
おれが おれがを捨てて/おかげ おかげでと暮したい

ではみなさん、どうぞよいお年をお迎えください。



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