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結  論


 攻撃(暴力)的で反社会的な行為の数ある原因の中でも、家族はその一つの原因にすぎないという認識を持つものの、われわれは、子どもの発育と非行の最も強い徴候の一つである攻撃性(暴力)の早い段階での抑制において家族は重要であるとして、家族の優位性を強調してきた。また、ある種の青少年にとっては、おそらくは、資産の消耗や親が長く求職をしているという経歴、慢性的な虐待、親の病状などの理由で、家族が有効に機能しないこともある、ということもわれわれは理解している。ソーシャルワーカーは家族とともに働くために彼らに固有の能力を信じるとともに、家族の長所を探し出して、これを支援しなければならない。同時に、われわれは、非行少年に対する家族の介入の限界と、補完的なサービスとシステムの必要性を理解しなければならない。
われわれは、青少年の家族の力を借りられるならば、あらゆる包括的介入プランを展開するに当たって家族の参加は不可欠である、と考える。早い時期における非行の相対的な安定性とその非行との関係を考慮すれば、"早い時期からの"介入が成功へのカギであり、家族マネジメントの方策に関する親業トレーニングを組み入れた社会学習アプローチは効果があることを証明している。親子の前向きな関わりと協調的な結び付きが攻撃的な行為の減少の結果として起こらない場合には、その質を高める率直な取り組みが必要かもしれない。さらに、親業トレーニングは、家庭の内外で生じるストレスに対処する家族のコミュニケーション力や問題解決力を強化するための介入によって補完されるべきである。家族主体の介入の最も有望な潮流は、質が高められた介入と、青少年とその家族の社会的コンテクストに目を向けるマルチシステミックモデルである。家族に対する介入に関する広範な着想、協力的なスタンスを取り、親を子どもの要求を支持するパートナーとしてみなす着想は、必要とされる介入を調整するためにも重要である。
われわれは、さまざまな介入の対象や、さまざまなシステムと家族のあいだで際立つ関係の多様性を背景にしながら、非行の防止や介入とは、多種多様なシステムのレベルで多種多様な対象に対して取り組まれなければならないと提案するものである。非行それ自身は家族のふれあいを推進する要因には少しもならないばかりか、逆に家族の混乱や不和に寄与するので、家族のマイクロプロセス(微小な過程)に焦点を当てるだけの介入では、少年非行が提示している複雑な問題に対処するには概して不十分である。非行のさまざまな徴候に向けたプログラムはとりわけ有望である。さらに、非行少年は数多くのさまざまな支援システムで見られるので、子どもの支援サービスの調整には大きな需要があるのである。少年司法制度で家族が重視されている現状にあっては、複雑な問題に取り組み、効果的な家族の介入に関するわれわれの最上の知識が活用された、狭小な定義にとらわれない、うまく調整された、コミュニティを拠点とするケアシステムが求められているのである。
 



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