坐禅入門(1)

 両膝と尻の三点によって大地の上にしっかりと安定し背すじをまっすぐに伸ばす。この「坐禅」の姿勢をとるとき、なにものかが大地に向かって自分の身体の中を貫いてくる。
自分というものが消えて、大宇宙の息の流れと一致する。水が流れ、風が吹き、鳥が鳴く・・・そんな大自然の運行のまっただ中で、自分のいの ちが息づいていることが感得される---、坐禅を深く体験した人たちによって語られる世界です。
静かに坐っていると、仏のいのちに全身が満たされ、仏のい のちと一体になって私たちは生きている。バラバラに分断されている人生をもう一度完全な形のものに回復させる、そうした「本来的なもの」「ほんとうの自 分」と出会う世界が実現するのです。
坐禅は出来るだけ、坐禅堂 で正式な指導者のもとに行うのが望ましいのですが、私たちは日ごろ時間に追われてついその機 会を逸してしまうことが多いようです。そこで、まず自分の部屋で坐ることを試してみましょう。



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